倫理要綱
倫理綱領 前文
私たちは、南山寮に入所してきた子どもたちとの一期一会を大切にし、安全に安心した生活を営むことができるよう子どもの生命と人権を守るとともに、その人種・性別・年齢・身体的精神的状況・宗教的文化的背景・保護者の社会的地位・経済状況等の違いにかかわらず、かけがえのないひとりの存在として尊重します。
私たちは、子どもたちの最善の利益の実現をはかるため、日々の関わりの中で子どものより良い成長と発達を育み、子どもの意思を尊重しつつ、自己実現と自立のために継続的な援助を保障する養育を行います。
そのため、私たちは、南山寮の全職員が共通の倫理観を持って養育にたずさわるための指針とすべく、全国児童養護施設連絡協議会が発効した倫理綱領をベースに『南山寮倫理綱領』を策定しました。私たちは、子どもの権利に関する条約、児童憲章、児童福祉法、児童虐待防止法など、子どもたちを守るべく掲げれたすべての理念と定めを前提とし、ここに以下の倫理綱領10か条を遵守することを誓います。
倫理綱領 条文
- 1.私たちは、子どもの利益を最優先した養育を行います。
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私たちは、入所児童に対して見通しをもった援助を行います。
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私たちは、自立支援計画表を子どもと共に策定します。子どもの願いや要望、課題を明確にし、それに対して、具体的な行動をとっていきます。
- 2.私たちは、子どもへの理解と受容、信頼関係を大切にします。
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私たちは、子どもの成育歴を十分に理解していきます。子どもの「言動」には理由がある事を意識し、間違ったことをしても咎めるだけでなく、傾聴・受容を意識し、子どもたちの「理由」を理解するように努めます。
- 3.私たちは、子どもの自己決定と主体性の尊重に努めます。
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私たちは、子どもが自らの考えを表現できる場作りを心掛けます。
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私たちは、子どもの意見を尊重し、否定したり、押し付けたりせず、選択の幅が広がるような情報提供を心掛け、子ども自身が自己決定できるように導いていきます。
- 4.私たちは、子どもと家族との関係を大切にした支援を行います。
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私たちは子どものみならず、保護者の良き相談相手となるようにつとめます。
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私たちは、子どもと家族を繋ぐ者としての役割を自覚し、家庭復帰に向け、見通しをもった支援を行います。
- 5.私たちは子どものプライバシーの尊重と秘密を保持します。
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私たちは子どもたちの部屋に入室する際は、必ずノックし、入室の声がけをしてから入るようにします。
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私たちは、子どもや家族に関して知り得た情報は、職員間のみでの共有にとどめ、必要以上の情報が洩れないよう秘密の保持につとめます。
- 6.私たちは、子どもへの差別・虐待を許さず、権利侵害の防止に努めます。
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私たちは施設内の風土が愛と調和、優しさに包まれたものとなるよう、暴力やいじめを許さない風土を作っていきます。
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私たちは、子どもたちに対して、嘲笑、無視や命令、殴る、蹴る、叩くなど、子どもの人格や人権を否定するような
言動や行動はとりません。
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私たちは、子どもから子どもへの暴力、暴言の抑制に努め、子ども一人ひとりがのびのびと過ごせる環境を作ってい
きます。
- 7.私たちは、最良の養育実践を行うために専門性の向上を図ります。
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私たちは、専門知識を積極的に学び、援助技術を高めるとともに、自らの人間性も向上すべく、自己研鑽に励みます。
- 8.私たちは、関係機関や地域と連携し、子どもを育みます。
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私たちは、関係機関(児相:医療:教育)との連携を保ち、報告・連絡・相談の徹底を図ります。
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私たちは、地域住民やボランティアとの関係作りを心掛け、子どもたちが多くの人から愛され、見守られる環境作り
につとめます。
- 9.私たちは、地域福祉への積極的な参加と協同につとめます。
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私たちは地域の一員としての役割を認識し、地域の子育てニーズや地域活動に積極的に応え、貢献していくようにつとめます。また、地域の子どもたちが気楽に立ち寄れるような環境作りを心掛けていきます。
- 10.私たちは、常に施設環境及び運営の改善向上につとめます。
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私たちは、施設内の美化に心掛け、整理整頓を徹底し、子どもたちが心地良いと感じられる住空間を作ります。
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私たちは、子どもや保護者から寄せられた意見は真摯に受け止め、説明責任を果たすよう、責任を持って対応します。
平成23年6月30日
南山寮 職員一同